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欠点だらけの中で、美点だけを見続ける力

原石はいる。見つけられないだけだ。ある投資家の「美点凝視」と「待つ力」、そして失敗した人を叩かないという考え方から、経営者として考えたことです。

先日、ある著名な投資家が、自身の半生と投資の哲学を、3時間以上かけて語るラジオ動画(伝説ラジオさんの動画)の内容を知る機会がありました。登場する人物や金額の話は多岐にわたりましたが、経営者として刺さった考え方を、3つに絞ってまとめておきます。

原石はいる。見つけられないだけ

一つ目は、「美点凝視」という考え方です。人も会社も、欠点だらけです。その中で、美点だけを、じっと見続ける。そのためには、「原石は必ずいる。自分が見つけられていないだけだ」という信念が要るそうです。中国の唐の時代の文人、韓愈の「世に伯楽ありて、然る後に千里の馬あり」という言葉があります。名馬を見抜く人がいてこそ、名馬が名馬として世に出る、という意味です。見つける側の目が、問われているのだと思います。

美点を見続けるには、「待つ力」が要る

二つ目は、「待つ力」です。美点を見つけても、それが花開くまでには、時間がかかります。起業した会社が上場するまでには、最低でも数年、長ければ8年ほどかかる、という話でした。待っている間に、欠点のほうが目につく。それでも、美点を信じて待つ。社員の育成も、新しい事業も、同じだと思います。ちなみに、私は、自分の欠点を凝視するのは大の得意なのに、美点になると、急に焦点が合わなくなります。

この「待つ力」は、頭では分かっていても、実践がいちばん難しいところです。結果がなかなか出ない人を前にすると、つい「早く成果を出してほしい」と焦ります。ただ、焦って急かすほど、本人は萎縮して、美点が見えにくくなります。成果を急かすより、美点が育つ環境を整える。それが、待つ側の仕事なのだと思います。

失敗した人を、叩かない

三つ目は、印象に残った教訓です。「よっぽど嫌いでない限り、失敗した人を叩くな」。一度成功した人は、8〜9割の確率で復活する。そして、SNSで書いた悪口は、本人にも、周りにも、覚えられている。批判するのは簡単でも、ネットに残った言葉は、あとから自分に返ってきます。失敗した人に、応援する側として、そばにいる。それが、結果として、自分の信用にもなるのだと思います。

以前書いた「否定しかできない人に、付き合う必要はない」とは、一見、反対のことを言っているようにも見えますが、根っこは同じだと思っています。見るべきは、欠点よりも、その人の可能性のほうです。

ちなみに、さっそく美点凝視を実践しようと、この記事の下書きを虫眼鏡で読み返してみました。見つかったのは、美点ではなく、誤字だけでした。凝視する対象は、自分の文章ではなく、人にしておこうと思います。

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