自社開発サービスを紹介する場所を、私たちは「アイキューヴ工房」と呼んでいます。
一般的にはプロダクト一覧、サービス一覧と呼ぶところかもしれません。それでも工房という言葉を選んだのは、完成したものを棚に並べるだけの場所にしたくなかったからです。
名前を決めるまでに考えたこと
ソフトウェアの世界には「本当に難しいことは二つしかない。キャッシュの無効化と、名前を付けることだ」という有名な言葉があります。まさにその通りで、この名前を決めるだけで何度も脳内ボケツッコミで打ち合わせを重ねました。
名前を考える段階では、もっと今どきの、横文字の名前も候補にありました。ラボ、スタジオ、そういった言葉です。どれも間違いではありませんが、しっくりきませんでした。
理由を考えてみると、それらの言葉には「未来の実験場」というイメージが強く、少し先を行きすぎているように感じたからだと思います。私たちがつくっているのは、もっと地に足のついた、日々の仕事のための道具です。だから、古くから職人が手を動かしてきた場所を指す「工房」という言葉のほうが、実態に近いと感じました。
現場の小さな違和感から
毎日の仕事には、大きなシステムを入れるほどではないけれど、何度も繰り返される不便があります。そうした小さな違和感を拾い、触れる形にして、使いながら直していく。
その工程は、製品を大量生産するというより、道具を手になじませていく仕事に近いと感じています。一つの道具が誰かの手になじむまでには、何度も削り直す時間が必要です。私たちのサービスづくりも、それと似た時間の使い方をしています。
つくって終わりにしない
工房という名前には、これからも手を動かし、試し、育て続けるという意思を込めています。
棚に並んだ完成品を眺める場所ではなく、扉を開けるといつも誰かが何かを直している、そんな場所であり続けたいと思っています。
