先日、経営者の方々が幸せと哲学について語り合う、M&A CAMPさんの動画の内容を知る機会がありました。1時間近くある長い対談でしたが、経営者である自分にも刺さる話がいくつもあったので、印象に残った部分をまとめておきます。
幸せは、3つのホルモンのバランスでできている
特に印象的だったのが、幸せを3つのホルモンで整理する考え方です。セロトニンは心と体の健康、オキシトシンは人間関係からくる幸せ、ドーパミンは目標を達成したときの幸せ。この3つのバランスが大事で、ドーパミン中心の生き方をしていると、むしろ不幸になりやすいという話でした。本物の美しいものを見るとセロトニンが大量に分泌される、という実験結果もあるそうです。
経営者という仕事は、売上や目標の達成といった「ドーパミン型の幸せ」に偏りがちです。数字を追うこと自体は悪くありませんが、それだけで人生を埋めてしまうと、どこかで息切れするのだと思います。
AIが奴隷なら、ローマ市民のように哲学するのか
もう一つ面白かったのが、AIを古代ローマの奴隷になぞらえた話です。ローマ市民は日常の仕事を奴隷に任せて、空いた時間を政治や哲学に使っていました。AIが日々の業務を担ってくれる時代には、空いた時間を何に使うのかという選択が、人生の質を大きく左右するようになる、という指摘です。
ただ、現実を見渡すと、AIに仕事を任せて空いた時間で、AIの新機能の情報を追いかけているだけの人が、案外たくさんいる気がします。ローマ市民への道は、なかなか遠そうです。
お金が増えるほど、人の本心は見えなくなる
富裕層が陥りやすい罠として挙げられていたのが、お金が増えるほど、周りの人がみんな優しくなることでした。全員が優しいから、相手の真意が見えなくなる。そこで、相手が自分以外の人にどう接しているかを見て、本質を見極める必要がある、という話です。
「お金が増えると周りが全員優しくなる」という罠、残念ながらまだ体験したことがないので、できれば一度ひっかかってみたいものです。もっとも、動画では最も幸福度が高いのは中流層だとも語られていました。共感できる友人が多く、金銭感覚が近いので人間関係を築きやすいからだそうで、そう考えると、このままでも悪くないのかもしれません。
愛は、時間をかけて育てるもの
「愛は育てるもの」という話も、繰り返し出てきました。恋は時間とともに覚めるけれど、愛情は時間と努力をかけて育てることで、はじめて成立する。「自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」という言葉がありますが、自己愛を他者への愛に転換することが理想だ、という文脈でした。これは夫婦や恋人に限らず、お客様や社員、取引先との関係にも、そのまま当てはまると思います。会社も愛もコツコツ育てろ、というのは、実に腑に落ちる言葉です。
ちなみに、この記事を書き終えた達成感で、いまドーパミンがじわっと出ています。理屈の上では、また少し不幸に近づいたことになるので、セロトニンを補給しに散歩へ行ってきます。
