昨日、細胞の「オートファジー」と老化の関係を、細胞生物学者が解説する対談動画(ReHacQさんの動画)を視聴する機会がありました。専門外の話ですが、面白かったので、印象に残った部分をまとめておきます。なお、これは健康や医療のアドバイスではなく、あくまで私の感想です。
細胞の部品は、毎日少しずつ入れ替わっている
オートファジーとは、細胞の中の部品を少しずつ壊して、新しく作り直す仕組みのことだそうです。たとえるなら、自動車の部品を毎日少しずつ交換していくと、数日で新車同然になるようなもの。さらに、壊れた部品や有害なものを分解して取り除く役割もあります。この「入れ替え」と「掃除」の2つで、細胞は正常な状態を保っている、という話でした。
そして、年を取ると、この機能が落ちてくる。老化の原因は十数個ほど知られていて、オートファジーの低下は、そのうちの1つだそうです。
老化は、物理法則のような必然ではない
一番面白かったのが、老化しない生き物の話です。アフリカの地中にすむハダカデバネズミは、見た目がほとんど変わらず、がんにもほとんどならず、同じ大きさのネズミが2〜3年で寿命を迎えるところを、約30年生きるそうです。また、ベニクラゲは、ある年齢に達すると赤ちゃんに戻って、人生をやり直します。
つまり、老化は物理法則のような避けられない必然ではなく、生き物によっては制御されている、ということです。人間も、将来的には、ある程度は制御できるようになるかもしれない、という見方でした。「不老不死」というより、「老いかたを選べるようになる」ほうが、現実に近いのかもしれません。
AIが、研究のスピードを変えている
ここでもAIが出てきました。細胞の中には約10万種類のタンパク質があり、それぞれ役割に応じた形をしています。これまで、顕微鏡でも見えないタンパク質の形を調べるのは大変でしたが、AIによる予測で、研究のスピードが体感で10倍ほどになった、という話でした。10年かかっていたことが、1年ほどで進む。AIの影響は、ビジネスの世界だけではなく、生命科学にも及んでいるのだと感じます。
特別なことより、基本の積み重ね
では、日常で何をすればいいのか。動画では、腹八分目(カロリーを少し控えめにする)、有酸素運動、質の良い睡眠、といった、昔から言われている基本が挙げられていました。長寿には、遺伝の影響は約25%程度で、残りは環境や生活習慣によるものだ、という研究も紹介されていました。「腹八分目に医者いらず」ということわざがありますが、最新の細胞生物学の話を聞いても、結論は意外と変わらないようです。
ちなみに、満腹になるとオートファジーが下がるそうで、私のように夜に〆のラーメンを食べる人間は、細胞が掃除をするタイミングを、自分で邪魔していることになります。細胞のほうが先に、「営業時間外です」と言ってきそうです。
