映画『ひゃくえむ。』を観ました。原作は「Chi. -地球の運動について-」で知られる魚豊さん。前作もそうでしたが、今作もまた、期待を裏切らない作品でした。
4年かけて丁寧に作られた作品
監督は、以前『音楽』という作品に7年をかけたことでも知られているそうですが、今回の『ひゃくえむ。』にも4年という長い時間をかけて、丁寧に作り込まれているとのことです。時間をかけることそのものが、作品のテーマとも重なっているように感じました。
恐怖の正体は、経験していないこと
この作品に通底しているのは、頭の中だけの理屈や打算ではなく、実際に経験を重ねることの大切さです。人が抱く恐怖の多くは、まだ経験していないことから生まれます。世間のイメージや周りの言葉に、必要以上に怯えてしまう。特に、社会に出る前の若い時期には、その傾向が強いように思います。
一方で、自信というのは、実際に自分で経験して乗り越えたことからしか得られません。まずやってみる、失敗する、また挑戦する。この繰り返しこそが、人を強くしていく軸になるのだと思います。
頭で怯えるほど、人は弱くなる
頭の中だけの打算や、コンプライアンスや世間体といった雑音に怯えて、一歩を踏み出せないままでいると、人はどんどん弱くなっていく。逆説的ですが、これは真実だと思っています。
セオドア・ルーズベルトは「重要なのは批評家ではない。実際に競技場に立ち、砂と汗と血にまみれる者だ」という言葉を残したそうですが、まさにこの映画が描いていたことと重なります。
画面の前で、行動する勇気を学ぶ皮肉
もっとも、こうして自宅のソファでNetflixを観ながら「行動することの大切さ」を教わっている自分に、多少の皮肉を感じなくもありません。それでも、頭で分かるのと、心で納得するのとでは、次の一歩の踏み出し方が変わってくる気がしています。