連絡橋の両端近くの傾斜の激しいこと。橋のたもとから螺旋状の道を上っていくことになるのだが、もう少し離れた場所から緩やかな傾斜で道を造っていただきたいものである。第一の連絡橋の登りで早々に、一緒に参加したメンバー二人に置いてけぼりにされ、ここから過酷な一人旅のスタートだ。
悪いことは続くものである。一人放置プレイ状態となったのも束の間、両足の脹ら脛がピクピクと痙攣を始めたではないか。まだ30㎞にも満たない地点だったのではないだろうか。サドルを高くした方がペダルが漕ぎやすいのではないかとの素人考えで、つま先が辛うじて地面に付く状態までサドルをあげていたのだが、ずっとつま先立ち状態でペダリングすることとなって、脹ら脛に思いの外負担がかかってしまっていた様だ。とは言え、もう時すでに遅しである。自分の意志とは裏腹に、脹ら脛は勝手に踊りまくっている。もう止まらない、止められない状態である。
悪いことは重なるものである。お尻が猛烈に痛いのだ。言葉で表現するには限界があるのだが、もうどうにもこうにも、痛いのだ。そんなに痛けりゃ、立ち漕ぎしたらいいじゃないとの意見もあるだろう。そんな事は言われなくてもわかっている。そうしようとした。悲しいかな、膝が笑いまくっていて立てないのだ。時間の経過とともに痛さは益々激しくなっていく。途中、あまりの激痛に笑えてくる始末である。もうどうにでもなれ。やけくそだ。
どれほどの時間が経過したのだろう。気がつけば折り返し地点まであと5㎞程というポイントまで到達していた。そこでだ。私を置き去りにしたメンバー二人とすれ違うこととなるのだが、この時点の心身状態で、これだけの差をつけられているということは、もはや追いつくことは不可能。そうなった今、足切り制限時間内にゴールすることのみを目標に切り替えた。人間あきらめも肝心である。勝ち目のない勝負はする必要などないのだ。
何だかんだで折り返し地点に到着。ほっと一息、自転車にまたがったまままずは壁に体を寄りかける。そう、体の節々が痛すぎて自力で自転車から降りれないのだ。まあ、焦ることはない。何せ半分までは来ているのだ。と時計に目をやる。
え?ええ?えええ?
スタートからすでに四時間半も経過しているではないか。同じペースで帰ったら、計9時間。足切り・・。究極の絶望感に苛まれる。心の悪魔がささやき始める。リタイアしちゃえ!自転車壊しちゃえ!そんな中、ふと、リタイア後、みんなにヘタレ扱いされてる自分の姿を想像する。想像の中とはいえ、猛烈に惨めな姿だ。やはり、ここでリタイアすることは許されない。お昼ご飯でも食べて気合いと根性で乗り切ろう!と気持ちを入れ替えた途端、時間を思い出す。ご飯など食ってる場合ではなかった・・。すぐに再スタートしなければ・・
ふと横を見ると、スタート地点ですぐ前に並んでいたカップルの女性がいるではないか。何やら泣いている。エイドステーションのスタッフが慰めている様だ。彼氏は置いてけぼりにされて、あまりのつらさに完全に気持ちが折れちゃってる様である。このままでは時間内にゴールできないと。。普段ならば泣いている女性を放置する様な私ではない。。「一緒に気楽に帰りましょうよ」程度の声はかけていたかも知れない。が、今日だけは別である。自分の事で精一杯、俺が泣きたいわ状態である。エイドステーションにあるバナナ3本を毟り取り、颯爽と折り返し地点を後にした。ごめんね、彼女。
※イベント終了後、あのカップルは破局したものと予想する。なんぼなんでも、あのコースで彼女を置いてけぼりにしたらあかんと思う。あまりにも可哀想である。
残り75㎞は悲惨以外の何者でもない。首、背中、腰、手首、太もも、脹ら脛、足の裏・・全部が痛い。しかも半端なく痛い。痛くないのは顔だけだ。極限まで疲労し、顔に力が入らない。筋肉弛緩剤でも打たれたかの様に、お口あんぐり状態だ。以前にも使用したネタだが、南極○号状態である。もう体裁等どうでもよい。なんとしてでもゴールしさえすればよいのだ。心の中で岡村孝子を熱唱しまくりである。意外や意外、これが案外効果的なのだ。歌ってすごいね!
ま、そんなこんなで満身創痍になりながらもゴール。これだけの事ができれば、日々起きるちっぽけなことなんてどうってことないなという気になるね。いい経験になった事だけは確かだ。来年も出場しようとは思わないけどね・・
マウンテンバイクでは・・・











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